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【エバマガ2021-9/20回】宇宙飛行士選抜試験の正体 実はめちゃくちゃ大事なこと⑦ ~非認知能力を高めよ①~

【追記】2023.1.21 エバマガ2021として体裁を整えるレベルの再編集をしました。

~非認知能力を高めよ①~
今月は2回(予定)に渡って、セレクト・アウトで使われるテスト方式では簡単に測ることができない“非認知能力”について考えていきたいと思います。密着したNHKは言いました。『宇宙飛行士選抜は、総合人間力を測る試験だった』それはまさに、点数では測れない非認知能力を測る試験だったということです。
非認知能力とは何かを捉え、自分の非認知能力を客観的に分析してみる。非認知能力を高めるにはどうしたら良いか?2回に渡って徹底的に掘り下げていきましょう。

はじめに

最近、教育業界でも注目されている“非認知能力”
幼児教育や子育てにおいて注目されていますが、宇宙飛行士選抜では、この能力を重要な評価項目とした試験を行ってきました。
これまでも宇宙飛行士の“資質”(ライト・スタッフ)の中の項目としてこの非認知能力を見てきました。ぼくのマンダラチャートでも随所に出てきています。これらの能力が一体何なのか?どういうシーンで発揮されるものか?どうすれば高めることができるのか?しっかりと掘り下げることで、一つ高い視点からこの能力を客観視できるくらい咀嚼していきしょう。

非認知能力とは?

“非認知能力“とはいったい何の能力なのでしょうか?
対極となる”認知能力”は、IQなどに代表される試験等で数値化できる学力の指標です。それに対し、非認知能力はそれ以外の能力全般を広く指します。学力と違って、点数が明確につけられない能力のことです。

具体的に見ていきましょう。
非認知能力は、諸説ありますが、ここでは9つに分けられるものを使ってみましょう。

自己認識(Self-perception) やり抜く力、自己肯定感
意欲(Motivation) やる気
忍耐力(Perseverance) 忍耐強い、粘り強い、あきらめない心
自制心(Self-control) 意志力、精神力、自らを律する力
メタ認知ストラテジー(Metacognitive strategies) 自分の状況を把握する、目標を決め計画を立て、問題を把握し、解決しながら前に進められる
社会的適性(Social competencies) チームスキル、コミュニケーション能力、社会性
回復力と対処能力(Resilience and coping) 失敗しても悩まない/立ち直る、失敗から学べる、うまく対応する
創造性(Creativity) 創造力、直感力、工夫する力
性格的な特性(Big 5) 神経質、外交的、好奇心、協調性、誠実

参考:慶応大学総合政策学部准教授 中室牧子氏 人生の成功を左右する「非認知能力」とは

どうでしょう?
生活していく上で必要な能力というのはよく分かると思います。

教育学の権威である東京大学名誉教授の汐見稔幸氏は、非認知能力を魚捕りに例え、次のように説明しています。

「罠をひたすら作り続ける集中力」
「罠を改善したり罠を仕掛けるポイントを考える直感力」
「魚が捕れなくてもあきらめない忍耐力」
「失敗してもまあいいかと思える楽天性」
「友達と協力する力」
「間違ったことをしたら素直に謝ることができる正直さ」

出典:汐見稔幸「こども・保育・人間」(Gakken保育Books)

最後の2つはやや強引にねじ込まれた感がありますが(笑)、分かりやすいですね。
大昔から人間が生きていく上で必要な能力、ということがよく分かります。

非認知能力は、心の動きに連動するものです。
人間の気質や性格的な特徴という内面的なものに関する能力です。敢えて一言で表現するならば、『人間力』や『生きる力』という言い方ができる、より良く生きていく上で非常に重要な能力と言えるでしょう。

これらの能力は、人が育っていく過程で育まれていくものだなというのは容易に想像がつくと思います。これらの能力を駆使して、これまでさまざまな人生シーンを色々と苦労や試練があっても乗り越えてきたのではないでしょうか?これらの能力を使ってくぐり抜けてきた様々なことが、さらに自分を成長させてくれたとも感じられるではないでしょうか?
普段の生活、学校生活、部活動、課外活動、社会生活などで自然と身に着けてきた能力だと思います。
“要領がいい”人は、非認知能力に長けている印象がありますね。

非認知能力に大切なのは、何をするかではなく、どのようにするか、です。
何のための活動であるかは、実は何でもよく、遊びでも勉強でもスポーツでもなんでも構わないのです。他者と関わり合いながらその活動を充実させていくために試行錯誤して考えて行うすべてのことが非認知能力を高めてくれます。

ぼくが作ったマンダラチャートでは、2-4-5-7の十字部分がおおむね非認知能力を指しています。これを見ると、宇宙飛行士の資質のおおよそ半分は非認知能力に由来したものであると言っても良いかもしれません。

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宇宙飛行士マンダラチャート (c) Takashi UCHIYAMA


それでは、これらの能力が宇宙飛行士にとってなぜ重要なのか?見ていきましょう。

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