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【新AIM-28】今月のニュース/できごと/チームスキル深掘り⑤

今月も色々と宇宙ニュースがありました。国家の政策や安全保障などが絡むと情報の持つ本質的な意味が分かりにくくなりますが、ここ新AIMではそのことの持つ意味・本質をしっかりと捉え、正しく未来を見据えていきましょう!
”できごと”では難病について取り上げています。人間が作ったものは故障したら原因を突き止めて直しますが、神様が作った人間の難病を、神様に作られた人間の手で治そうとする難しさ、痛感しています。


今月のニュース

アルテミス計画Update発表

米国時間12/5、ワシントンにあるNASA本社で、NASA長官Bill Nelson以下より次の発表が行われました。政権交代とNASA長官の交代が予定されているが、その前に停滞しているアルテミス計画に対するUpdateをまとめるという動きだと思います。

  • 長らく検討が行われていたArtemis I (Orion無人デモ)で生じたOrionのヒートシールド問題(異常損失)に対し、100回以上の試験を行ったうえで原因分析を完了し、製造品質向上(つまり、Artemis IIもIIIもAvcoatをそのまま使う)とリエントリ軌道の変更により安全に帰還できるとした。なお、Artemis Iでも、5000℃近い外部の温度からヒートシールドによりクルーの居住空間は快適温度に保たれていた。

  • 現在のArtemis IIのターゲット時期は2026年4月、Artemis IIIは2027年中盤とした(これまでのスケジュールから約1年遅れ)

このアルテミス計画における、再び米国人を月面に送ることは、安全保障上非常に重要な意味を持っており、中国よりも早く到達することが必須となっています。政権交代後の体制下においても引き続き、Artemis IIIまでの計画については強力に推し進められることになると思います。

大西飛行士、ISSコマンダーに就任!

2025年2月から予定されているISS長期滞在に向けた記者会見が11月27日に行われました。力強い抱負を語っていますのでぜひご覧・ご一読ください。

また、その5日後の12月2日に、ISSコマンダー(ISS船長)就任が発表されました。日本人としては若田飛行士・星出飛行士に次いで3人目となります。ミッション前半の第73次長期滞在で指揮を執ることになります。

これは日本としては狙い通りの素晴らしい成果です。
2008-9年の宇宙飛行士選抜では、”ISSコマンダーを担える人材を”と目標を掲げていました。当時まだISSコマンダーは日本から、もっというとアジアから出ていませんでした。その後2014年に若田飛行士が初、2021年に星出飛行士が2人目、そして採用当時から目標とし、それを実らせた形で大西飛行士が3人目となりました。
世界のリーダーを担える人材が育まれているという意味で、宇宙に限らず様々な業界にも波及しうる日本の進化と言えます。

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