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宇宙飛行士編 第1章 宇宙飛行士を目指すってどうすればいいんだろう?③

~夢を目指す思考法~
JAXA宇宙飛行士を目指すのは、確率的にいうと相当難しいです。
自前の有人ロケットを持っていないというが大きな理由になりますが、有人ロケットを他国に頼る日本においては、国際協力プログラムにおける有人ミッションの貢献割合でしか宇宙飛行士の搭乗機会を得られていない、というのが実情です。個人的には、それを打破すべく、日本製の有人ロケット/有人宇宙船を持てるようにしたいと思っていますが、現時点では、ヨーロッパ(ESA)やカナダ(CSA)などと同じく、超少数精鋭の宇宙飛行士を維持している状態です。
「宇宙飛行士になりたい」というこの博打に近いような夢を、人生を賭けて計画的かつ精神的にも健全に目指すにはどうしたらよいか?その思考法について考えてみましょう。

狭すぎる門

ぼくは、宇宙飛行士(宇宙飛行士以外の超難関なものでも)を夢見るのであれば、JAXA宇宙飛行士選抜試験に絶対挑戦すべきと思っています。大きな目標に向かって努力を重ねることは、その結果がどうであれ、自分を大きく成長させてくれるからです。

まず、狭き門である最近(2008年以降)の各国宇宙飛行士候補選抜時の倍率をみてみましょう。

◆ NASA  1525倍(2015), 790倍(2011), 390倍(2008)
◆ CSA(加) 1886倍(2016), 2675倍(2008)
◆ ESA(欧) 1402倍(2008), 1324*~4500倍(2021)   * 補欠枠/障碍者枠含む
◆ JAXA  321倍(2008), 2064倍(2021)          ( )は選抜開始年

約300倍~数千倍といったところでしょうか。
そもそも受験する人自体が相当に意欲を持った方ということを考えると、超難関と言っても過言ではないでしょう。
また、自分の努力ではどうすることもできない身体的な部分もありますし、その時代時代で求められる資質が変わる点、宇宙飛行士チームとして補充したい資質が毎回異なる点なども考えると、努力して獲得できる実力以外の運やめぐり合わせといった要素もかなり大きいと言えるでしょう。

こういった要素があることは、受験者全員にとっても同じ条件ですので、仕方のないことです。そのことを仕方のない、自分がコントロールすることができないものとして割り切った上で、どう向き合っていくについては、あらかじめ考えておくべきでしょう。

注)もしあなたの夢が「一度宇宙に行ってみたい」の場合は、もちろんJAXA宇宙飛行士選抜受験以外の選択肢や方法がありますので、そちらを突き詰めて考えた方が良いです。

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