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【エバマガ2021-5/20回】宇宙飛行士選抜試験の正体 実はめちゃくちゃ大事なこと③ ~JAXAから出された次回選抜の方向性~

【追記】2023.1.21 エバマガ2021として体裁を整えるレベルの再編集をしました。

~JAXAから出された次回選抜の方向性~
2021年1月20日に、JAXAから『新たな宇宙飛行士候補者の募集・選抜・基礎訓練に関する情報提供依頼』と『宇宙飛行士候補者の募集・選抜・基礎訓練に関する意見募集』が出されました。そして、その中にはJAXA検討中とはしながらも、今年秋以降に予定している第6期宇宙飛行士選抜の応募条件についてのJAXAの考え、方向性が示されていました。これは個人的にもなかなかの衝撃でした。非常にオープンなプロセスになります。
今回はこれらJAXAが第6期宇宙飛行士選抜の準備を進めていく過程で出された情報を紐解き、新しい宇宙飛行士に求められる資質とは?そもそも応募条件どうなるの?という辺りを掘り下げていきます!

RFIとパブコメ、まずは全体像の把握

JAXAから新たな宇宙飛行士候補者の募集・選抜、基礎訓練に関する情報提供依頼/意見募集(RFI、パブコメ)が出されています。3/19までが受付期間中になります。

一体何が行われようとしているのでしょうか?
今後の宇宙飛行士、その選抜方法がどうなっていこうとしているのか、推測するためにもしっかりと見ておきましょう。まずは内容と流れの大掴みをしていきましょう。

RFIというのは、Request For Informationの略で、情報提供を依頼するものです。「宇宙飛行士選抜に使えるような人材評価・育成・アウトリーチ手法などのノウハウ・アイデアはありませんか?」と広く民間から情報を募ろうというわけです。

パブコメ(パブリックコメント)というのは、公的機関が何かを始めようというときに、広く一般に意見募集するときに使われるものです。

押さえておきたいポイントとしては、情報や意見は求めるものの、これらを取りまとめて大きな方針を決め宇宙飛行士選抜・養成を主体的に行っていくのはあくまでJAXAであるというところでしょうか。

ここで、JAXAから出されている選抜募集までの想定スケジュールをみてみましょう。

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第6期宇宙飛行士選抜募集開始に向けての想定スケジュール (c) JAXA

このスケジュールの右側で出てくるRFPというプロセスについても解説しておきます。
RFPとは、Request for Proposalの略で、企業等に具体的な提案を依頼するものです。そして、複数企業から出た提案の間でどれが優れているか競争を行い、JAXAが選定するというものです。
例えば、「これこれこういうやり方や条件での、宇宙飛行士選抜の実施について提案ください」とJAXAが仕様を作り、それに合致する提案を受けます。受けた提案をJAXAが精査し、予め設定した基準に則ってJAXAが支援する企業を選定します。

このような流れで、まずは情報提供に基づき、JAXAが新しい宇宙飛行士選抜・養成の枠組みを構築し、RFPにより支援企業を選定し、JAXA/支援企業による選抜実施に向かうということになります。

さて、JAXAから出されている、宇宙飛行士募集・選抜・訓練・キャンペーンに関するRFIとパブコメについて見ていきましょう。
その中で、JAXAで検討中の募集要項等、次回宇宙飛行士選抜に向けてのJAXAの考え・方向性が示されました。このことはぼく個人的にもかなりの衝撃でした。ここまでオープンに検討状況を示しつつ、広く一般の意見を採り込むというオープンなプロセスを行うんだ!という驚きと感心です。
さらにJAXAでは、宇宙飛行士候補者の募集・選抜・基礎訓練に関するイベントを今後も行っていくようなので、その辺りも漏れなくチェックしていくのが良いでしょう。
そして早速Webイベント「宇宙探査時代の新たな宇宙飛行士候補者選抜への挑戦~これからの時代に求められる宇宙飛行士の資質と、選抜・訓練の新たな可能性~」の開催がアナウンスされました。ぼくが想像していたよりも動きが早くてびっくりしているほどです。
ちなみに、このイベント、ぼくも第2部「宇宙飛行士選抜・訓練の新たな可能性」のパネリストとして登壇しますので、ぜひチェックください。

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