【新AIM-06】宇宙基本計画から見る今後の宇宙開発/宇宙ビジネスの展望
今日はめまぐるしく変わっていく時代の変わり目にある宇宙開発について考えてみましょう。今日は猛烈にインプットがたくさんあります。宇宙産業はどんどん拡大していくことは間違いないです。ただ、10年後に宇宙開発や宇宙ビジネスがどう展開されているか正確に予測することは難しいです。そういった潮目にある今の時代を、日本政府はどういう考えのもとで宇宙政策を立てていこうとしているのか。バイアスのかかった二次情報ではなく、真正面の一次情報から考えてみましょう!
宇宙基本計画(案)がでました
2023年4月17日に行われた宇宙政策委員会第105回会合にて次期宇宙基本計画(案)が提示されました。夏ころをめどに新たな宇宙基本計画として決定していく流れです。しっかりと国が考える宇宙開発の方向性を読みとり、今後20年を見据えた向こう10年の日本の宇宙政策の基本方針として適切かどうか、自分の考えと照らし合わせて意見を言えるくらいに読み込んでみましょう。
ぼくの意見を書いてしまうととたんにバイアスがかかってしまうので、今日は中身の解説はなしにしておきましょう。(質問スレッドで議論/質問どうぞ)
見方としては、まず”概要”に目を通します。概要がすごくよくできていて、以下の構成になっています。
1.宇宙政策をめぐる環境認識
一体今、どういうことが起きていて、我々がどういう状況下におかれているのかを1ページでまとめています。
2.目標と将来像
我が国が目指すべき目標と将来像を描いています。宇宙産業の市場規模を10年で倍にする。そのためには、、、を1ページでまとめています。
3.宇宙政策の推進に当たっての基本的なスタンス
どういう基本方針をもっているか、それを1ページにまとめています。
4.宇宙政策に関する具体的アプローチ
4つの分野それぞれについて、<基本的な考え方>と<主な取組>を1分野1ページにまとめています。
全部でたったの9ページ。ここにどういう考えのもとに新しい宇宙政策が提案されたかの全てが込められている超優秀ペーパーです。
それを押さえたうえで、興味ある部分について「宇宙基本計画(案)」本文の方を見てみましょう。本文は40ページもので、同じ構成でしっかりした文章で書かれています。細かいニュアンスや政策としての力の入れ具合などは文章から読み取るのが良いでしょう。
玄人は言い回しからにじみ出る攻防なども想像しながら読みます(笑)
宇宙業界で何が起きているのか?
さて、どうでしょう。
もしかするとですが、政策的な基本計画だけを見ても、それが適切なのか、時代に即しているのか、未来の日本をどうしたいのか、はっきり見えてこないかもしれません。
そういうもんか、と思ってしまうだけだったとしたら、今宇宙業界で一体何が起きているのか、状況認識を深めると視界がクリアになるでしょう。
そんな君にぴったりの本を見つけました!
『宇宙ベンチャーの時代~経営の視点で読む宇宙開発』
一緒に仕事をしたことがある小松さんと後藤さんの共著ですが、これがすばらしくよくできていて、今の目まぐるしく変化してきた/変化している宇宙業界を俯瞰して一望することができ、未来の宇宙ビジネスの展望までできる一冊となっています。
世界中でたくさんの新しいことが起き過ぎていて、何がどうリンクしているのか、宇宙と一口にいっても色んな宇宙の使い方があるし、なかなか理解が追い付かないと思う人も多いと思うのです。業界のど真ん中にいてもキャッチアップ大変だろうなと思ってるくらい。
ひとつひとつを敢えてそれほど深掘らず、一定のところで止めているので、全貌を把握するのにとても良いです。
宇宙政策を議論しましょう!
新AIMメンバーの方は、質問スレッドにご意見をぜひお寄せください。宇宙政策について議論しましょう!
率直な意見や考えを聞かせてください!
ぼくが考えたことを必ず返します。
宇宙開発はいまや宇宙政策であり、国が定める基本方針や戦略に基づいて方向づけをしながら、産業や暮らしと密接に関係するものになりました。
資源のない日本の未来を創っていくのは、科学技術であり、その中でも宇宙が大きな割合を占めていくと言えるほどの存在感になってきた(期待も込めて)のではないかと思います。
すでに動き出してリスクを取って宇宙スタートアップを立ち上げて勝負している人たちがいっぱいいます。時代を読んで、自分がありたいと思う未来に向かって突き進んでいきましょう。
最後に、宇宙基本計画(案)の前文の最後に書かれた1文で締めます。
2023年4月18日 内山崇