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【エバマガ2021-8/20回】宇宙飛行士選抜試験の正体 実はめちゃくちゃ大事なこと⑥ ~”セレクト・アウト”をくぐりぬけよ③~

【追記】2023.1.21 エバマガ2021として体裁を整えるレベルの再編集をしました。

~”セレクト・アウト”をくぐりぬけよ③~
今回は第一関門となるであろう書類選抜について、第5期選抜で使用された志願書と経歴書を使い、その中身とポイントについて解説していきます。
もちろん第6期は何かしら変化があるとは思いますが、応募条件を緩和し間口を広げるということは、たくさんの応募者の中から“セレクト・アウト”によりふるいをかけなければならなくなるはずです。逆に、書類選抜の重要性が増す可能性があることは想定すべきでしょう。その際、重要となってくるポイントをズバリ予想・解説します!

宇宙飛行士選抜における書類選考とは

第5期宇宙飛行士選抜において、最初の関門は書類選抜+英語試験でした。
ぼくも選抜プロセスの詳細については知らないので、自分の体験とのちに出された書籍から類推していきます。2月のスペシャル対談にも出演いただいた柳川孝二さんの著書『宇宙飛行士という仕事』(中公新書)の以下が参考となります。

一次試験を前に、提出書類の全項目を対象に評価した。主要なポイントについて説明する。最初に、応募要件への適合性を確認した。続いて医学基準に則り、既往疾患と現症疾患の有無を確認した。(中略)
本人の資質確認の源泉となる推薦は、身近な人物からの評価を重視した。また、訓練期間は家族にも相当な負担となる。そのため、合格後の訓練の日々への家族の理解と覚悟のほどを確認した。(中略)
こうして全項目について、適・不適の絶対評価あるいはABCの三段階評価を行って数値化し、963人の応募者から上位230人を書類審査合格者とした。

963人→230人(一次試験進出)の最初の選抜プロセスでは、書類審査+英語試験でしたので、上記の評価過程には英語の試験結果も入っています。つまり、ここでの審査における評価は以下の3段階プロセスにより機械的に行われたものと推察できます。

① 応募要件への適合性+医学基準による適否評価による適・不適の絶対評価
② 上記①適に対し、設定項目に対するABC三段階評価により機械的に点数をつけた。(英語試験結果含む)
③ 点数の上位230名を合格者とした。

ここからわかるのは、書類審査においても厳格に設定された評価項目があり、それぞれにABC三段階評価がされ、数値化された結果で書類審査合否が決められたということです。ここで1/4にまで絞られているわけですから、書類審査とはいえ決してなめてはいけない、自分の宇宙飛行士に賭ける想いや、それに向けて行ってきた実績をアピールしなければならないと認識すべきと思います。言うまでもないですが、“奇をてらった目に留まる “アピールではなく(それもあってもいいかもしれませんが)、全項目気合を入れ、抜け漏れなく、100%の自分の想いや経験のすべてを注ぎ込むつもりで臨みましょう。

そして次回以降、①の要件が緩和される方向性を考えると、応募人数が増えることに加えて、②による絞り込みの重要性が高まるということは想定しておくべきでしょう。仮に、一次試験以降のキャパ(230名程度)が変わらないと仮定すると、これまた仮に4000名程度の応募があったとすると、書類選抜の倍率が17倍にまで跳ね上がることになります。この数字はあくまで仮定ではありますが、②について用意周到に準備をしておくことは超大事だと考えることは想定しておくべきでしょう。また、ぼくはこの部分が、次プロセス以降で行われる各種面接においても大きく生きてくるポイントだと思っています。

題材は第5期選抜試験の応募書類なので、当然色々と変わるものと思いますが、宇宙飛行士資質の本質は変わりません。それでは、しっかりと中身を見ていきましょう!

参考として今でも掲載されている第5期応募書類へのJAXAウェブサイトのリンクを付しておきます。


応募動機

「なぜ、あなたは宇宙飛行士になりたいのですか?」という問いは、選抜における全フェーズで繰り返し聞かれます。軽い気持ちなのか、これまで自らに問いを重ねてきた深みのある回答ができるか、面接であればすぐに、書きものであったとしても、選抜側が本気度を測るのは容易いと思います。薄っぺらいものはすぐに伝わってしまいます。

また、一貫性をもつことも大事です。本気であり真実であれば、選抜過程のいつどこで聞かれても同じ回答になるはずです。ぶれてはいけませんね。ロジカルであれば途中で変わる(深まる)こともあるかもしれませんが、しっかりとした説明を添えればOKでしょう。

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