見出し画像

【新AIM-10】最近の世界の宇宙開発注目ニュース~月着陸~(と雑談)

たまには、最新の宇宙開発ニュースのおさらいをして、見どころや今後の展望など注目ポイントを確認しておくのも良いと思いまして、このトピックを選びました。
このコミュニティでは、月探査や有人ミッション関連を特にフォーカスして内山の見解も入れつつ見どころを紹介していきたいと思います。


国際宇宙探査ロードマップ最新版(2022追補版)

まずは世界全体の宇宙探査ロードマップ状況をおさらいしましょう。
以下のJAXAの国際宇宙探査センターのウェブサイトから公開されています。ISECGという国際宇宙探査協働グループがまとめている国際宇宙探査シナリオになります。各国が計画を更新したり、新規参画国などもあり追補版という形で更新がされました。

興味ある方、詳しくは上記からリンクが飛ばされているGlobal Exploration Roadmap(GER)をご覧ください。ニュースは散逸的に出てくることが多いので、これで全体シナリオを俯瞰して理解しておくと動向を追っていくのにとても役立ちます。

ここ数年の月探査周りはえらく込み合っていること、また、2030年以降に向けて持続的な月探査が行われていることも読み取れると思います。

国際宇宙探査ロードマップ(2022追補版)  (c) ISECG

それでは、最近の個別ニュースを見ていきましょう。

Chandrayaan-3(インド)

チャンドラヤーン3は、インドの月着陸ミッションです。
2019年に行われたチャンドラヤーン2ミッションでは、月周回軌道へは投入できたものの、ソフトランディングに失敗してしまいました。そのミッションを引き継ぐのがチャンドラヤーン3ミッションとなります。

LanderとOrbiter(下図 Propulsion module)と、月面到着後に月の南極点付近を探査をするRoverの3つから構成されています。月の南極点近くへの着陸を目指し、月面におけるミッション期間は最大14日間で設計されています。

Chandrayaan-3打ち上げロケット(LVM3-M4)  (c) ISRO/BBC

チャンドラヤーン3ミッションは、2023.7.24に、ISRO(Indian Space Research Organisation)のロケット発射場であるサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられました。地球周回軌道(170km x 36,500km)に投入され、そこから月遷移軌道まで遠地点(apogee)を徐々に上げていきます。
7/31に月遷移軌道投入を行い、8/5に月周回軌道へ投入しました。そこから遠月点を徐々に下げていき、8/17にLanderをOrbiterから切り離し、月の周回軌道をソフトランディングに向けて降下中です。2023.8.20時点で、25km x 134kmまで到達しています。
そして一番の見どころであるランディングは、2023.8.23に実施を予定しています。チェケラ!

Chandrayaan-3ミッションプロファイル  (c) ISRO

ここから先は

2,619字

ジュニア&次回挑戦者コース

¥500 / 月
このメンバーシップの詳細